
【BBガールズ通信】マドンナジャパンW杯応援記-9月10日
文/頓所理加(BBガールズ普及委員会・代表)
日本対韓国戦!いよいよ始まります!
開催地韓国でのワールドカップ。試合前から、韓国のファンの方々が続々と集まり、客席のほとんどが韓国ファンという中でのプレーボール。「テーハミング!テーハミング!」
試合は、日本が終始リードする形で進み、投手リレーもうまくかみ合い、6対0で快勝となりました!日本は、今大会全勝という流れのまま決勝にコマをすすめることとなりました。欲しい所でタイムリーが出て、大事な所でスクイズが決まり、決勝へ向けて本当に良いリズムとなりました。
点差だけを見れば、危なげない勝ち方のように見えますが、この試合の中でも何カ所かターニングポイントになる場面がありました。流れがかわるかもしれない!そんな時に、大倉監督がかける言葉が、素晴らしい!本当に驚くぐらいに、良いタイミングで良い言葉をかけるんです。驚くと言ったら失礼ですね。逆に言えば、これが大倉イズムなのだと感じました。
先発の荒木投手が、韓国のバッターにデットボールを当ててしまい、観客席全体から大ブーイングが聞こえてきた時、大倉監督が「やばい!やばい!緊張してるー!」と、荒木投手にわざと聞こえる声で叫び、荒木投手の心を和ませます。
石田選手が、フルスイングで空振りをした時も「いいねー。良い振りだ!ワンポイント!いけいけ!」と、さらにフルスイングをしやすい状況を作り出してくれています。
送りバントをしてほしいという場面で、二回続けてバント失敗となり、2ストライクおいこまれた時にも、「わざとこうしたのかー?じゃあ、打ってもらおうかー」と明るい声で叫ぶ大倉監督。共通していることは、「ミスやピンチを、ミスやピンチと思わせない」という姿勢。
試合後に大倉監督にそれについて質問をしてみると「失敗は誰にでもあります。でも、野球は続きます。その中で、気持ちをへこませて、下を向いても良い事なんて一つもない。むしろ、どう次につなげるか。どう前向きに気持ちをあげてプレーを継続できるかで結果はぜんぜん違ってくる。野球は続いているんだぞ!とアシストするのが僕の仕事。」とおっしゃっていました。「最終的に言えば、ここにいる選手達は、今はそういう自分自身のコントロールは、少なくとも出来ている。いや、それくらいのことが出来ない選手は、ここにはいられないんです」とても深い言葉だと感じた。
私自身も指導者をしている身であり、試合の中においては、アシスト、サポートをするつもりでベンチに入っています。しかし、選手がミスをした時、失敗した時、ベンチ全体のムードは?スタッフ陣の対応は?選手自身での心のコントロールは?全てにおいて、考えさせられました。本来は、みんな別々のチームでプレーをする選手達。彼女達をひとつにまとめる意味では、こうして「大倉イズム」を伝え、チームの方針想いというものを大切にすることが大事なのだとあらためて感じました。
そして、決勝にかける意気込みも最後に監督に聞いてみました。
「決勝は、一試合一試合積み重ねてきてそのご褒美。正直、平常心なんてものはなくて、むしろ異常事態でね(笑)。その中で、どれだけ彼女達を、はっちゃけさせてあげることで出来るか、気持ちよく野球をさせてあげられるか。そこが僕の仕事です」と笑顔で答えてくれました。大倉JAPANの集大成!決勝戦が楽しみです!!