知っておきたい、「危険ドラッグ」の現実を新潟県警察本部に聞いてみました

知っておきたい、「危険ドラッグ」の現実を新潟県警察本部に聞いてみました


吸引後に車を運転し、歩道に突っ込み死傷者が出るなどの重大事故につながっている「危険ドラッグ」。全国ニュースのトップを飾るほどの大きな話題になっているこの「危険ドラッグ」の危険性について、新潟県警察本部刑事部組織犯罪対策第一課の巡査部長・米山直人さんが、話してくれました。

「『危険ドラッグ』というのは、覚醒剤や麻薬などの『規制薬物』に化学構造を似せて作られたもので、『規制薬物』と同じような作用があるもの。ただ「似せて作った」とあるとおり、その多くがどんな薬物が含まれているか明確には分からず、非常に危険なものなんです。覚醒剤や麻薬と同じように依存性が高く、使用すれば興奮状態になったり、幻覚や幻聴、妄想などを見ることが多い。最悪死に至るケースもあるなど、健康被害も甚大です」

新潟県内では、全国ニュースで取り上げられるほどの事件にはなっていないものの、新潟県警察本部が認知している数は、10月末の段階で、一昨年、昨年1年間のおよそ2倍。「決して対岸の火事ではないことを新潟の皆さんに知ってもらいたい」と、米山さんは話を続けます。

「興奮状態で見さかいがなくなり、人を傷つけてしまうケースもあります。県内でも、『危険ドラッグ』を吸引し、仕事場で『上司に殺される』という幻覚症状が出て、刃物を持って街中で暴れ、器物損壊などを起こした事例もあります。皆さんの身近にも、こうしたことが起こっているということを知っていただき、その上で絶対に手を出さないでいただきたい。軽い気持ちで手を出すと、自分の人生だけでなく、自分の家族や仲間も失うことになりかねません。何度も言いますが『危険ドラッグ』は人を死に追いやる薬だということを忘れないでください」

新潟県警本部が配布しているチラシ(表面)です。

新潟県警本部が配布しているチラシ(表面)です。

こちらが裏面。「危険ドラッグ」がいかに怖い物か書かれています。

こちらが裏面。「危険ドラッグ」の怖さや種類が書かれています。

新潟県もこの「危険ドラッグ」問題への取り組みとして、「新潟県薬物濫用の防止に関する条例」の制定へ向けて動いているとのこと。県内「危険ドラッグ0」へ向けて、危険ドラッグには近づかないようにしましょう。(GATAポスト編集部 町井敬史)