
いま登山するべき新潟市の山はココ&ひと休みなら「日和山五合目」で
10月に開店したと聞き、行かなければと思っていた場所に、ようやく取材でうかがうことができました。
「日和山五合目」。
先日、グッドデザイン賞2014も受賞しました。
説明すると長くなります。まずはこれだけでも押さえておけば、楽しみがグッと広がります。
--江戸から明治時代にかけて、日本の物流を担い発展した北前船。新潟の湊は寄港地として賑わい、今につながる多くの地域の文化の礎を築きました。そんな北前船の、船出のための日和を見る山がすなわち日和山。この山は、かつて水先案内の地であった、新潟市を象徴する史跡スポットなのです。
標高約12.3メートルの山の中腹(つまり五合目)に、コーヒーと焼き菓子を楽しみながらくつろげる場所としてオープンしたのがここ、「日和山五合目」です。
店長の野内綾子さんにお話しをうかがいました。
コーヒーと手作りお菓子を提供。「新・名物」も誕生!?
「もともとコーヒーが好きなんです。だからメニューはコーヒーをメインに。私自身がコーヒーを飲むときに、一口でいいのでお菓子を食べたくなるので、手作りの焼き菓子などをお出ししています」。
店を開くにあたって数年間、カフェをめぐり、セミナーなどに参加し、試行錯誤を重ねて今の味に。コーヒー豆は、東京の名店・堀口珈琲にオリジナルブレンドをオーダーし、「日和山ブレンド」として仕入れています。
さらに。「名所には名物が必要」ということで作られた、ユニークなお菓子がこちら。
山頂にある方角石をかたどった「日和山方角石 アイスもなか」。特注のもなかの皮に、牛乳ベースの手作りアイスを詰めています。
ちなみに方角石とは、日和山山頂にあるこのような石。風待ち、潮待ちで出発のタイミングをよむための、日和山の必需品でした。
アイスもなか、チーズケーキ、ガトーショコラなどとコーヒーなどのドリンクをセットで味わえます。お菓子セットは500円。 ※今後、お菓子の大きさと値段が変更になる場合あり
「コーヒーはテイクアウト方式で、山の上や外のベンチでも飲めるようにしています。たっぷりサイズの180ccです」と野内綾子さん。
「日和山でゆっくりしていってもらいたかったんです」とは、日和山五合目・館長の野内隆裕さん。綾子さんとはご夫婦です。
「小路めぐりなどの『町歩き』で日和山を訪ねた人たちは、だいたい15分くらいで帰っちゃう。それはもったいない。コーヒーを飲みながら、外のエノキとか、神社とかを眺めてゆっくりできるように、というのがここのコンセプトです」
そう語る野内隆裕さん。
実は、人気のこの小路めぐりマップを作った方です。
さあ、ディープな話になってきました。
飲食だけではない、ネタの宝庫の日和山
野内さんは日和山が“好き過ぎて”、とうとう、このような建物まで作ってしまったのです。
この窓、開けると下の写真のように。県内最大、もしくは最大級の大きさの窓、とにかくデカイ。
それこもこれも、日和山を眺める、というより愛でるため。
吹き抜ける風と、そよぐエノキの葉の音の心地よさは、ここに立たねば分かりません。時折、通りすがりのネコにのぞかれたりして。「外にいるのと同じ感じを狙いました」。大胆なデザインですね。
飲食だけでなく、貴重な歴史資料や、町歩きマニア、地形マニア垂涎の図書、おもしろオリジナルグッズなどなど、ネタの宝庫であるこちら。
つづきます。
(GATAポスト編集部・早見正明)
日和山五合目
住所/新潟市中央区東堀通 十三番町 2962−1
営業日・時間/金・土・日・月曜の11時 〜 16時 ※不定休あり