
ミミクリーな話。フクロウの高性能デザインにビックリ
【ミミクリー】とは、模倣というような意味です。
1月12日(月・祝)に生涯学習推進センターで行われた「トラフズク講演会」(主催/新潟県立鳥屋野潟公園)に行ってきました。
かわいい顔して実はフクロウは、「肉食系」の猛禽類。新潟県で観察記録があるフクロウの仲間の話や、県立図書館のアイドル、トラフズクの食事の話など、さまざまに聞くことができました。講師は新潟県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里の小川龍司さん、にいがた野鳥の会の佐藤悠子さんのお二人。
冬に見るとモコモコと温かそうなフクロウですが、鳥は汗をかかないので夏は大変。暑くなると口を開けて体温を逃がし、調節するのだとか。
また、面白かったのが羽根の話。
夜行性であるフクロウは、飛ぶ際に音を消して獲物に近づきたいわけですが、なんとそのために。羽根に消音機能を備えているのです。
羽根の上部が、細かくけば立っています。飛行時にこのギザギザが空気を細かく逃がすため、音がしないのだそうです。巧妙ですね。
この驚きのデザインを模倣することで、走行時の騒音低減に成功したのが500系新幹線のパンタグラフです。面白いですね。
調べてみると、生き物たちが備えるこうした機能や知恵を模倣することで、新しい技術を生み出すことを「バイオミミクリー」と言うのだとか。
人間の英知をやすやすと超えている生き物たちの創造力、改めてスゴイですね。完璧な自然界の仕組み、パーフェクトワールドの一端を垣間見たようでした。
私たちがいま、トラフズクを身近に観察できるのは鳥屋野潟周辺の環境が豊かであるから。ぜひ、自然を守っていきましょうということで、講演会は終了しました。
次回もあるなら、楽しみです。
(GATAポスト編集部・早見正明)