なぜ五泉にはこんなにイチョウが? ハシゴで紅葉狩り
新潟の紅葉はもう終盤。
色づきが遅めのイチョウの名所を訪ねました。
なぜかイチョウの名所が多い五泉市です。まずはこちら、上郷屋のオハツキイチョウ。
なかなかの迫力です。
新潟県指定の天然記念物です。目通り7.5メートル、高さ20メートル、樹齢は600年とも800年とも。
800年前の日本はというと、鎌倉時代、源頼朝の死後、北条氏が政治の実権を握ったころ。
そんな時代から生きているイチョウの木ということになります。きっと、たくさんの人々の物語を見届けてきたことでしょう。
さて、オハツキイチョウとは変わった名前です。その理由は、他のイチョウと違い実が葉っぱの真ん中辺りにつくことからとか。ぜひとも実物を見たかったのですが、発見できませんでした。
残念。
実が付いているのが見えますが、「オハツキ」とは違う感じです。
でも、黄色の葉っぱに包まれている感じが気持ちいい。
イチョウはジュラ紀から種を保っている樹木であることを、以前に書きました。いろいろ種類があったイチョウの仲間は絶滅し、生き残っているのは今の1種類のみ。このような実の付き方をするイチョウがあることは、樹木の進化を想像する上で興味深いですね。
続いて、同じく五泉市にある切畑の乳銀杏に足を伸ばしました。
高さは40メートル、幹まわりは12メートル、樹齢は1,200年以上と推測されているとか。
1,200年前というと平安時代、坂上田村麻呂が晩年を迎えていた頃です。
そうとう長生きですね、このイチョウは。
この生命力、枝なのか幹なのか別の株なのか分かりませんが、次々と伸びている勢いがすごいです。
乳柱がたくさん下がっていることから、お乳の出が良くなる御利益があるとか。
こちらも新潟県指定の天然記念物です。
五泉市には他にも、黄金の里と名付けられた、イチョウの大木が多いの蛭野地区もあり、こちらも名所です。
なぜ五泉にはイチョウの名所が多いのでしょう? 中国の残った原種から植樹されていったというイチョウの歴史と考え合わせてみると、深掘りする面白さがありそうですね。
(GATAポスト編集/早見正明)