【新潟・アスリートブック】 10月23日・プロ野球ドラフト会議 『人事を尽くし指名を待つ』~日本文理・飯塚悟史投手の直前の表情

【新潟・アスリートブック】 10月23日・プロ野球ドラフト会議 『人事を尽くし指名を待つ』~日本文理・飯塚悟史投手の直前の表情


プロ野球ドラフト会議が10月23日、東京・ グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで開かれる。今夏の甲子園でベスト4に進出した日本文理の飯塚悟史投手の指名が濃厚だ。運命の日を目前にした22日、あらためてプロ入りへの憧れと意志を示した。

飯塚前日メーン用修正リサイズ

ドラフト会議前日の22日、飯塚はいつも通りに過ごした。雨続きの天候でグラウンドが使用できないため、校舎内をランニング。甲子園と同様にベスト4入りを果たした長崎国体の期間中は投球練習をしていたが、今は行っていない。「バッティング練習をして体のキレが出るようにしています。あとは体力を落とさないように」。夏の甲子園が終わってから継続している軽めのトレーニングで、後輩に交じって汗を流した。

ドラフト会議が始まるのは午後5時から。飯塚は授業を終えた後、練習をして、指名後の記者会見に臨む予定。「緊張はありません。何かフワフワした感じです。クラスメートからも『ドラフトを控えているとは思えない』って言われました」。自身、そして周囲も認めるほどのリラックスムードだ。不安よりも楽しみの方が大きい。プロ入りは野球を始めた6歳のときからの夢。「夢のスタートラインに立てるかもしれないですから」と指名を心待ちにする。

事実、複数球団がリストアップ。指名は濃厚だ。186センチ、83キロの体の中に詰まっている潜在能力を、プロ側は高く評価している。最速146キロの速球に、多彩な変化球とそれを操るコントロール。甲子園で5試合完投し、ベスト4進出の原動力となった実戦的な投球術。打者としても好素材だが、飯塚は「投手でいきます」と態度は明確だ。「12球団全てが希望球団です。順位も何位でもいい」と、指名されたら入団する決意でいる。「今までやってきた通りに、勝てる投手になりたいです」と、すでにプロ入り後のイメージもある。

当日はともに戦ってきた3年生のチームメートたちも、校内に残って吉報を待つ。「みんな、『おまえを乗せるように馬を作るから』って言ってくれているんです」と笑顔を見せた。「明日(23 日)の夜、どんな自分でいるのか楽しみです」。夢への扉が開かれる瞬間が迫っている。

☆いいづか・さとし●1996年10月11日生まれ。上越市出身。6歳のときに直江津ガンバーズで野球を始める。直江津中3年では新潟県選抜のメンバーとして、Kボール全国大会準優勝。日本文理では1年夏からベンチ入り。2年夏に甲子園出場。昨秋の明治神宮大会で準優勝。今春のセンバツは初戦敗退。今夏の甲子園、10月の長崎国体でベスト4進出。186センチ、83キロ。右投げ左打ち。

〈斎藤慎一郎〉