【新潟・アスリートブック】 12球団OK。堂々とプロ志望~日本文理高校野球部・飯塚悟史投手】

【新潟・アスリートブック】 12球団OK。堂々とプロ志望~日本文理高校野球部・飯塚悟史投手】


全国高校野球選手権でベスト4に進出した日本文理高校のエース飯塚悟史投手が、日本高野連にプロ志望届を提出。18日に受理された。

 

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進路の選択に迷いはなかった。「希望は12 球団すべて。ドラフトの順位も関係ないです」。飯塚はプロ志望の意志の固さを明確にした。

13日から15日の連休中、上越市の実家に戻り、両親と進路について話し合った。そこでプロ志望を確認。日本文理の大井道夫監督からは「おまえが行きたい方向に進めるように協力する」と快諾を得た。

昨夏から3季連続で甲子園に出場し、この夏は日本文理のベスト4進出の原動力になった。186センチの長身から投げ下ろす速球はMAX146キロ。スライダー、フォークの制球力も安定している。甲子園では5試合を1人で投げ抜いた。制球重視で打たせて取るピッチングを軸にしながら、要所では意識して三振を奪う。実戦的な投球内容はプロ関係者からも高く評価された。

準優勝した昨秋の明治神宮大会決勝で3本の本塁打を放つなど打者としての評価も高い。ただ、飯塚は「投手でやりたい」とここでも迷いはない。プロ入りは小学生の頃からの夢。大学、社会人からも誘いはあったが、「行けるチャンスがあるときに行きたい」と現在のプロ側の評価をチャレンジの機会と受け止めた。

ライバルたちとの触れあいも刺激になった。甲子園後、U-18日本代表のメンバーとしてU-18アジア選手権に出場した。仲が良い高橋光成(前橋育英高校)らとも進路について話しあった。「光成は『プロでやる』とはっきりしていました。僕は『どうしようかな』って。そのときはそんな感じでした」。同年代の仲間たちの前では言葉を濁していたが、気持ちは固まっていた。

何より、同じチームで野球をしたことで向上心が刺激された。「光成は軸足やステップの幅など、フォームの細かいところまで集中する。岸(潤一郎=明徳義塾)は常に全力。手を抜かない」。彼らから学んだことを今後に生かし、将来は高いレベルで競い合うことも目標になった。

10月には高校生活最後の公式戦の国体が控えている。1回戦の相手は夏の優勝校の大阪桐蔭。昨夏の1回戦で敗れた相手でもある。「楽しみです。チームメートと一緒に野球ができる最後の大会なので、やっぱり勝ちたい」。ドラフト会議は10月23日。「志望届を出してから、少しどきどきするようになりました」と笑う。そして「プロに入るだけでなく、活躍することが目標」。期待と少しの緊張を感じながら、運命の日を待つ。
(斎)