【BBガールズ通信】女子プロ野球界の牽引者・川保麻弥さんに迫る

【BBガールズ通信】女子プロ野球界の牽引者・川保麻弥さんに迫る


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氏名:川保麻弥(かわほ まや)

出身地:埼玉県上尾市

投打:右投右打

ポジション:キャッチャー(現役当時)

現在の仕事:一般社団法人 日本女子プロ野球機構 チーフコーチ

年齢:32歳

生年月日:1984年4月6日

身長:170㎝

球歴:『アマチュア』埼玉栄高校女子硬式野球部(埼玉)~日本体育大学女子軟式野球部~侍~日本ウェルネススポーツ専門学校(野球専攻科)~新波~

『女子プロ野球』兵庫スイングスマイリーズ(2010-2012)~イーストアストライア(2013)~イーストアストライア監督(2014-2015)~日本女子プロ野球機構・チーフコーチ(2016)

 

2009年に日本女子プロ野球機構が発足されました。野球をする女の子が増えてきた近年、野球少女達の夢となる場所が必要となり、2010年には「女子プロ野球」も誕生しました!

「日本女子プロ野球リーグ~JWBL~」の存在は、野球は男子だけのものという流れが強かった日本の野球界に新たな風と期待をもたらしてくれています。

関西を基盤に2チームで始まった同リーグも、創設から6年が経過し、変化・進化を遂げてきました。「ないものを形にする」という中で「夢、実現!」というリーグスローガンを掲げ、現在は関西・関東を基盤とする3チームによるリーグ戦を展開しています。

そして、育成部門となるチームも別に設け「女子野球の普及と発展」も理念とし活動の幅を広げています。そんな「女子プロ野球界」の一期生の中から一人の女性にスポットを当てたいと思います。

初代MVP(角谷賞)にも輝き、女子プロ野球界を牽引してきた川保麻弥(かわほまや)さん。彼女の魅力と夢に迫ります!

 

【第一話】

川保麻弥が出来るまで!!

女子プロ野球選手一期生のトライアウトがおこなわれようとしている頃、その話は川保さんの耳にも届きました。当時、中学校で先生として働き、男子軟式野球部の顧問をしていた彼女は、「女子プロ野球誕生」に心が揺らぎます。

「人生で野球と関わり続けたい」という彼女の夢は、野球部の顧問という形で、すでに叶えられていて、目の前にいる可愛い生徒達と関わることが、彼女の生き甲斐となっていました。

「すでに夢を叶えたと思っていたはずなのに、心が揺らぐなんて」

と大きく葛藤し、自分自身の気持ちとあらためて向き合う事となりました。そして彼女が出した結論は、女子プロ野球への挑戦でした!

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川保さんは、小学2年生の頃に野球を始めました。

近所のスポーツ少年団のコーチに声をかけられたのが始まりだといいます。女の子らしく育てたいというご両親の想いの元、エレクトーンや習字、スイミングを習っていましたが、どれも長続きしませんでした。

でも「野球をしたい!!」と思うようになってからは、あっという間に野球にのめり込み、気づけば腰まであった長い髪も、ショートカットになっていました。初めて自分のやりたいことを見つけた瞬間だったそうです。

小学5年生の時のある日、彼女は突然キャッチャーに任命されました。

先輩のキャッチャーが練習試合の前に骨折し、急遽、チームにキャッチャー不在となり、監督から「やってくれ!おまえなら出来る!」と言われたそうです。

目の前でバットを振られても目を閉じなかった当時の彼女。これが監督の中での起用ポイントだったといいます。当時の彼女、男勝りで負けず嫌い!そんな彼女の性格も監督は見越したうえで「彼女になら出来る」と判断したのだとも思います。

「初めてキャッチャーをして本当に面白かった!!自分で試合を動かせる感じが楽しかった!」

この日を境に、彼女はキャッチャー人生を歩むようになります。野球の新しい魅力に気づいた時期でした。

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小学6年生の時には、少年野球チームでキャプテンまで務めた川保さん。中学でも当たり前のように野球を続けるつもりでいました。

でも、現実には、女子は野球部には一人もいない。そんな事実に直面し、彼女は悩むことになります。

それでも自分の気持ちに正直に、中学の軟式野球部に入部届を提出。入部届を見た顧問の先生に、彼女は職員室に呼ばれました。

「女の子なんだから諦めなさい!」そう言われたらなんて返事をしようか・・・

そんな事を考えながら先生のもとへ行くと「容赦はしないよ!男の子と同じように接するから、最後まで頑張れよ!」と声をかけてもらえたといいます。先生の言葉に涙が出そうでした。

「本当に嬉しかった!どんな辛い事があっても、絶対に負けずに頑張る!」

顧問の先生に背中を押してもらった彼女は、更に強い気持ちを持って、中学軟式野球部に入部することを決意することが出来ました。

実際に、男女の体力差や筋力差も感じるようになった中学での野球部時代も、先生のこの言葉が支えとなり、頑張りぬくことができたのです。

 

第二話に続く・・・