【特集・沼垂】沼垂市場通り新ステージの仕掛け人、田村寛さんに聞きました -後編-

【特集・沼垂】沼垂市場通り新ステージの仕掛け人、田村寛さんに聞きました -後編-


新潟市中央区の旧沼垂市場通りに事務所を構える、株式会社テラスオフィスの田村寛さんのインタビューの後編です。(前編はこちら

 

「お店の人やお客さんどうしの会話、そういうことが非常にいいものだと思うんです」

田村さんは、出店者の方々にひとつのお願いをしています。

「外観はあまりいじらないようにと。全体の一体感、雰囲気を保ちたいんです」

工場の煙突群を借景にした、市場通りの長屋の風景は、タイムスリップしたかのような錯覚にとらわれる独特のムードです。人気漫画のエピソードの舞台として描かれたこともあり、この風景そのものが強い個性になっています。

「沼垂の町を歩いていて、ぽっとここの通りに入ったときに感じられる雰囲気を大切に残していきたいと思っています」

今はまだ、シャッターも目立つ市場通り。現在は、ルルックキッチンの以前からある既存店4店と合わせて、10店が営業中。陶芸工房、古本、雑貨などの店です。さらに来年の春までには花屋さん、洋食店、コーヒーと焼き菓子の店など8~9店が開店し、旧沼垂市場通りのほぼ全部が埋まる予定とか。

「昔は“市場”の機能として、人と人のやりとりが、こうしたところでは多かったと思うんです。例えば郊外型のスーパーではカゴに入れてレジに行って、それで買い物が終わる、そういうものとは別の楽しみが市場にはあります。モノに触って、見て、声をかけて話しをする。小さい店が連なっていることで生まれる、お店の人やお客さんどうしの会話とか、そういうことが非常にいいものだと私は思うんです。」

人と人の交流が生まれ、さまざまな形で結びつく。田村さんのイメージは、町全体に対しても同様です。

沼垂に来て、1日ぶらっと遊べるようになるといいなと思います。今代さん(今代司酒造)や峰村さん(峰村醸造)もいま、一所懸命やられているので、連携して行くことを考えています。県内、県外の方々からも「沼垂に遊びに行こうよ」って言ってもらえるような、面白い地域になり得るんじゃないかと感じています」

10月5日(日)には、市場通りの商店主たちが開くマーケット&ワークショップ「沼垂テラス」と、「一箱古本市」を開催。また、10月下旬には、峰村醸造とコラボするマルシェイベントを行う予定とか。アツいですね、沼垂。GATAポストでは、今後も注目して行きたいと思います。

20140925沼垂02

テラスオフィス社長・田村さん

 

(早見)

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