【特集・沼垂】沼垂市場通り新ステージの仕掛け人、田村寛さんに聞きました -前編-

【特集・沼垂】沼垂市場通り新ステージの仕掛け人、田村寛さんに聞きました -前編-


先日お伝えした、新潟市中央区の旧沼垂市場通りの新店ニュース。通りの入り口に建つ「厨(くりや)酒場わかつき」に続いて今後も様々な店が開店し、イベントも開催されるなど、昭和レトロな市場通りは平成の新ステージ、新時代へと突入して行くようです。
そこで今回は、一連のムーブメントの仕掛け人、市場通りに事務所を構える株式会社テラスオフィスの田村寛さんにお話をうかがいました。

 

 「外から人が流入することで生まれる、いろんな作用が面白い」

沼垂の、まさにこの場所で育った田村さん。

「私が子どもころの市場通りは、青果やお菓子、衣料品、乾物屋さんなんかが入っていました。当時は郊外型のスーパーなどはない時代だったので、買い物客や仕入れで訪れる業者さんで非常に賑わっていました。まだ車よりも自転車の時代だったので、自転車がたくさん止まっていたのを覚えています。昭和40年代後半から50年代前半頃です」

この界わい、かつては日本石油、東芝硝子、北越製紙の工員さんたちを相手に飲食店も活況を呈した土地。しかし、日本石油、東芝硝子は今はなく、人々の生活も郊外型へと移って行きました。待っているのはお定まりの町の高齢化と、活気の消失。

「自分が生まれ育ったところが、より楽しく面白い場所になるといいなという思いが、ずっとありました。頭で考えているだけでなく、まず自分で何かを動かしてみれば、変わる部分もあるだろうなという思いから、最初に、この並びにルルックキッチン(総菜店)を開きました。その1年後にISANA(家具と喫茶)さんが入り、流れができました。ルルックはこの6月で4年目に入りました。

“活性化”というほどの大それたことを考えているわけではありませんが、お店をやりたい方がおられるんだろうなということで、出店のスキームを作るためにテラスオフィスを興しました。こうしてお店ができて、外から人が流入することで生まれる、いろんな作用が面白いなと感じています」

最初に起こした小さな波が波及効果を呼んで、出店者も増え、メディアも注目するようになり、お客さんもより多く集まって来ています。田村さんが出店者を決める際の、基準はあるのでしょうか。

「いっしょにここを盛り上げるためにがんばる気持ちのある人に入ってもらっています。それぞれの事業計画も大切。それと、商売をする上でのその人の熱が、やっぱり重要です」

今だけではなく、継続的にこの通りを楽しくして行くために。田村さんは周囲を巻き込み、連携しながら、さまざまに取り組んで行く予定です。

インタビューは明日の後編へと続きます。

20140925沼垂09