じわじわ全国進出中・・・ カレーラーメン おでかけKomachi連動企画【ご当地逸品】
三条市の「正広」に来ました。
三条の逸品グルメといえば、カレーラーメンです。
食堂やそば屋さんなどで古くからメニューに存在し、今なお、地元の皆さんの定番として愛されているカレーラーメン。
今のようにブームになる前ですが、その発祥について私も調べたことがありましたが、はっきりしたところは不明でした。
三条市以外でも、古くからある食堂なんかには時々、カレーラーメンがメニューにあります。ここで不思議なのは、三条市ではごく当たり前のように、各店でカレーラーメンを提供していること。誕生の経緯はさまざまに想像できますが、この出現率はかなりのナゾです。地域民俗学のような学問があるなら、研究テーマになりそうです。
正広のカレーラーメンです。
店によって、作り方や味が異なるのが面白いところで、正広の場合はラーメンスープとカレーが完全に一体化しています。他店では、カレー後乗せタイプなどもあり、さまざまです。
こちらは、カレーがかなり個性的。ほかにはない味です。そのヒミツはというと。
独自の配合のスパイスをじっくりと炒めた後に、じっくり寝かせるのです。店主・阿部さんの自宅で。家に帰ってもカレーといっしょ、カレー愛、です。
スヤスヤと睡眠をとったカレーの粉が、どのように変化するのかは識者の研究が待たれるところですが、寝る子は育つといいます。独特の香り、味、辛さを生み出しています。
「最後まで食べてもらうことを想定して、作ってるんです。甘みがあり、じわじわとくる辛さがありと、このカレーラーメンは感じ方が変わって行くんです」。
店主の阿部圭作さんです。
手にしたパックは何ですか?
「この8月から、全国どこでも正広のカレーラーメンが食べられるようになりました」
インターネットの通販店「ら針盤」で販売しているそうです。
「冷凍して宅配するんですが、作ってみてビックリしました。正広の味、そのまんまで。すごい、と思いました。これなら、自信を持って出せます」
ジャガイモやニンジンなどの根菜は冷凍に向かないため入っていませんが、湯せんして試食したところ、店と全く同じ味とか。
「これを食べてくれた人が、さらに興味を持って、三条に足を運んでくれる。そんな流れができるといいな、と思います」
人気テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」でも紹介され、その反響はかなり大きかったとか。
通販は、始めたばかりでオーダーはまだ忙殺されるほどではないとか。注文するなら今がチャンス。
「小さく生んで、大きく育てるのが好きなんです」と、阿部さん。
さて、訪れたなら、カレーラーメンのスタンプラリーもやっているので、お試しを(三条飲食店組合・カレーラーメン部会発行)。
「もうすぐ、改訂版ができますよ」
20店以上もの店で出しているカレーラーメンをコンプリートすると、様々な特典受けられます。
「ちょっと、待ってください」
言い残して、阿部さんはどこかへ。
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待つこと約10分。
「いま、これを作ってるんです」
それは何かはまだヒミツですが、三条のカレーラーメンをじわじわと世に広めるための作戦のひとつです。
精力的にチャレンジを続ける阿部さん。
「三条に来て、『なんでこんなにおいしくて、手頃に食べられる店が多いんだろう』って、思ってもらいたい。それは、実際にそうなんです。三条は金物の町で、昔から社長さんが多かった。舌が肥えた人たちを満足させてきた町なんです」
まだまだ、他にもアイデアを温めているとか。
近いうちにまた、お邪魔したいと思います。
(GATAポスト編集・早見正明)
※このコーナーは現在発売中の関連ムック「おでかけKomachi」(2015年7月18日発刊)の、「ご当地逸品」企画と連動し、不定期に連載いたします。