日本一まずい温泉は、本当にまずかった・・・ 【新潟は温泉天国】
新潟県は、温泉地数が日本第三位の温泉天国です。
※平成26年3月末現在 新潟県ホームページ
GATAポストでは、冬になると恋しくなる温泉に注目し、強化連載していきます。
新発田市の月岡温泉街に行きました。
国内屈指の硫黄含有量を誇り、「美肌の湯」などとも言われることで女性に人気の温泉スポットです。
近ごろ刀剣ブーム。人間国宝だった故・天田昭次氏の作品を展示する「刀剣伝承館 天田昭次記念館」は、この温泉街にあります。見応えのある展示館ですよー。
さて、人気の足湯へ。
隣が無料の駐車場なので利用しやすい。また、冬場は風よけのシートを張っている親切さ。ゆっくり浸かることができます。
1月26日土曜日の夕方に訪れましたが、カップルや女性客で賑わっていました。
人がいなくなった隙を見て、パシャリ。
温泉街を歩いてみます。
今年オープンした「旨(うまみ)」。沼垂の峰村醸造のみそやみそ漬けなど、発酵・醸造食品がそろう店です。
すぐ近くには、「蔵(くら)」も。
新潟の日本酒をそろえており、500円でおちょこ三杯の試飲ができるほか、新潟のお土産もいろいろ揃っていました。
「源泉の杜」です。旧・手湯の杜ですね。
ここが月岡温泉発祥の地です。
「月岡昇竜の石」があります。地球の活発な活動が作り出したと思われる、波打った紋様が。巨石マニア、地質好きは見逃せません。が、石の来歴に関しては説明がないのがちょっと残念。
「自称日本一まずい温泉」と看板にあるお湯を、備え付けのカップで飲んでみます。
「しょっぱマズ!」
というのが感想。硫黄臭としょっぱさに加え、刺すような苦みが。
飲用適応症には肥満症、慢性便秘、痛風などが記されています。
良薬口に苦し。体の内側から健康になれそうですね。
月岡温泉は、石油掘削中に見つかった温泉です。瀬波もそうですが、新潟県は石油と関連する温泉が多いのが特徴。この発祥地が月岡の湯治の始まりだったとか。
あえて共同浴場ではない、日帰り入浴へ
お風呂にも入ってみたい。こんな時に頼りになるのは、地元の観光協会です。
古くからの湯治宿を教えてもらいました。
「源泉の杜」の前にある「浪花屋」と、足湯の前にある「さかえ屋」が古いとか。
「さかえ屋」でお風呂をいただきました。入浴のみは350円。いいですねー。
観光ホテルではなく湯治宿なので小さなお風呂でしたが、源泉かけ流し。お湯を飲んでみたら、源泉の杜よりも苦みが強い。表面にわずかに油膜が浮いています。石油掘削の歴史を物語るようです。
宿のおばあちゃんに聞いたら、「浪花屋」が月岡の最初の温泉で最初の湯治宿、その後、今の足湯のあたりで新湯を掘削し、ここの「さかえ屋」ができたのだとか。
玄関には、開業時にお医者さんが描いたという「栄屋」の絵が飾られていました。
現在は観光レジャーの文脈で取り上げられる「温泉」ですが、かつては「療養」と結びついていたことを静かに伝えているような、素朴な絵でした。
とても楽しい、プチ温泉街散策でした。
(GATAポスト編集・早見正明)