アルビの電撃移籍1 「ミスターアルビレックス」の決断~本間勲

アルビの電撃移籍1 「ミスターアルビレックス」の決断~本間勲


本間勲メーン リサイズJ1アルビレックス新潟の大物選手が移籍した。8月12日、本間勲と川又堅碁の移籍会見がクラブハウス内で行われた。本間は栃木SCへ期限付き移籍、川又は名古屋へ完全移籍。ともに出場機会を求めてのものだった。

本間は2000年のプロ入りから15年、「ミスターアルビレックス」としてサポーターからも、チームメートからも尊敬されていた。 今季はリーグ戦、ナビスコカップでの出場はゼロ。天皇杯2回戦・福井戦での途中出場が唯一の公式戦の出番だった。新潟のユニホームを着て戦い続けた男は、涙ながらに新潟への思いを口にした。そして新天地・栃木での復活を誓った。

――移籍の話があったのは、いつの時期ですか。
「代理人を通して、なんとなく話はあったのですが、正式にあったのは8月10日です」

――どういう思いで決断したのでしょうか。
「今シーズンの自分の置かれている状況の中、そういう話をもらえること自体うれしいことでした。なかなか試合に出られない選手に声をかけてくれるというのは。向こうとしても、プレーを実際に見られないのに、声をかけてくれたというのはうれしかったです…」

――決断は難しかったですか。
「やはり、長いことお世話になっていたので。でも、今の自分は厳しい状況でもありましたし、サッカーができる残りの時間も限られていると思ったので。プレーできるチームがあるのであれば行きたいと。そこで元気な姿をサポーターに見せることができれば、それがいいのかなと思ったので、今回のこういう決断になりました」

――栃木SCからはどういう形で来てください、という話だったのでしょうか。
「チームがこれからJ1を目指していく中で、力を貸して欲しい、と。僕もJ2時代、ベテランと言われる選手たちが新潟に来て力を貸してくれ、J1に上がった環境を見ていたので。自分がそういうふうに力を貸すことができればいいのかなと」

――デビューから今まで、長い間在籍していたクラブを離れるということで、あらためて新潟というクラブが自分にとってどんな存在だったと感じていますか。
「こういう形で出るとは思っていなかったので。いざこうなると、自分の中で本当に大きな部分を占めていたんだなと。正直、寂しい気持ちというか。このチームで最後までやれれば一番良かったのかなと…。決めた以上、しっかり頑張ってきたいと思います」

――新潟のサポーターへのメッセージを。
「急な話で、サポーターの皆さんに直接あいさつできずに申し訳なく思っています。また元気にプレーしている姿を見せたいです。違うチームになりますが、応援していただければうれしいです」

――J2というカテゴリーでのプレーですが、どういうところに気を付けてプレーしようと思いますか。
「まず栃木のサッカー、監督がチームに求めていることを自分の中で整理しなければならないです。プラス、自分が求められていることをしっかりと出したいです。簡単なリーグではないと思いますし、どこと対戦しても厳しい戦いになるでしょう。そういう中で、1試合1試合を大切に、全てを出し切って戦いたいです」

――プレーだけでなく、チームを引っ張るという立場も意識しているのでは。
「そういう部分も期待されていると思います。いろいろな経験をしてきたつもりなので、それを少しでも早く伝えて、いい方向にチームが行くように引っ張っていきたいと思います」

――あらためて、どんな気持ちで栃木でプレーしたいですか。
「1試合1試合、無駄にできないと思っています。個人としてもそうですし、栃木というチームとしても上に行くために無駄にできないです。そういう強い気持ちでやっていきたいです」

(斎)