粋でオシャレな江戸時代・新潟のダンナたち 旧齋藤家別邸でユニーク企画展 いま下町めぐりを薦める理由②

粋でオシャレな江戸時代・新潟のダンナたち 旧齋藤家別邸でユニーク企画展 いま下町めぐりを薦める理由②


いま、下町(しも)めぐりがオススメです。

新潟市の旧齋藤家別邸で「新潟湊の繁栄とその文化展」が開催さています。

江戸から明治時代にかけて、北前船は物資の流通を活発化させると同時に、各地に文化の交流ももたらしました。書画や本などを通じて、当時の新潟の民衆の様子を紹介するのが今回の企画展です。

齋藤家_新潟湊2広重 (526x800)

「諸国名所百景 越後新潟の景」二代安藤広重(安政6年)

GATAポストで、さっそく訪ねました。

目を引いたのは、江戸時代の回船問屋の旦那たちが描いた扇。

『新潟町文人 寄書扇面』と題された扇には、トンボやバッタ、カキツバタと思われる植物などがサラサラと描れています。商家の旦那たちの筆による寄せ書きだとか。秋に万代島美術館で行われた、伊藤若冲の美術展を思い出します。オシャレですねー。
また、宿屋での酒席の様子を描いた本もあり、扇と併せて見ると、「こんな感じで宴会で盛り上がり、このような寄せ書きをしたのだな」と想像できます。江戸時代に繰り広げられただろう出来事が、立体的に立ち上ってきます。これは楽しい。
写真は掲載しないので、ぜひ、訪ねて鑑賞して欲しいと思います。

「江戸や京都ではなく、新潟の町なかの人たちが高度な文化や表現技術を身に付けていた、そして創造的だったことが分かって、面白いですよ」と、同館の横木さん。

武家のたしなみや教養的な芸術文化とは異なる、町人独自のゆるやかな雰囲気が興味深いとも。

下の写真は、回船問屋の主人たちが描いた画です。うまいですね。

齋藤家_新潟湊1

 

こちらは、江戸時代の望遠鏡。船乗りが使っていたものか、あるいは新潟市のあの日和山から天候や船を観察したものでしょうか。新潟の町めぐりが楽しくなります。

齋藤家_新潟湊3

ちなみに望遠鏡を乗せている箪笥は、作りのよさで全国に名を馳せた佐渡船箪笥です。知工箪笥とも記されています。「知工」とは…? 興味がある方は同館でお尋ねください。

(GATAポスト編集・早見正明)

※追記です。
旧齋藤家別邸は11月21日(金)、国指定の名勝として答申されました。新潟市内では初の国の名勝指定になる見通しとのことです。

「新潟湊の繁栄とその文化展」
日/12月2日(火)~23日(火・祝)
場所/旧齋藤家別邸
住所/新潟市中央区西大畑町576番地

公式ホームページはこちら

齋藤家_新潟

写真提供・旧齋藤家別邸