〔シリーズ・クマ〕その1:目撃情報多数!秋のアウトドアおでかけはクマに注意を

〔シリーズ・クマ〕その1:目撃情報多数!秋のアウトドアおでかけはクマに注意を


朝晩の気温も下がってきて、だいぶ過ごしやすくなってきました。これから秋にかけて、里山などでキノコ狩りや紅葉狩り、登山などを楽しむ方も多いと思います。そこで、特にこの時期から注意したい、新潟県内のツキノワグマの目撃状況などについて、新潟県県民生活・環境部 環境企画課の皆川さんに聞いてみました。

クマ画像(借用)

楽しい行楽で、こんな状況にはなりたくないですね。

(イラスト提供:新潟県県民生活・環境部 環境企画課)

 

-今年はクマ出没が多い年なのでしょうか?

「今年は昨年に比べてツキノワグマの目撃数が多くなっています。今年8月までの目撃・痕跡報告数は358件(8/29現在)で、昨年の同期間229件より130件近く増加しています。また、この期間の人身被害件数は、昨年の0件に対して今年2件(2名)となっており、クマと遭遇する機会が増えていることが分かります。秋季のツキノワグマの主食はブナ、ミズナラ、コナラなどの木の実(堅果類)で、この豊凶状況がクマの出没に影響を与えます。今年の豊凶状況は9月上旬に正式な情報を発表しますが、今年は木の実が不作の可能性が高いようです」

 

-これからの行楽シーズン、どのような点に注意すれば良いでしょうか。

「まず、ツキノワグマと遭遇しないことが重要です。新潟県のホームページでも目撃情報を公開していますが、各市町村でもホームページ、広報誌、チラシなどで情報を発信しています。キノコ狩りや登山など、森林や山に行かれる前に、情報を確認していただければと思います。ツキノワグマは人間に比べて力が強い動物です。走る速度も人間よりずっと速いので、何より出会わないようにすることが重要です。また、普通の道路や公園でも、森林や山に接した場所であれば、クマ出没の危険がありますので、注意が必要です。ツキノワグマは音にも敏感ですので、音を聞くと逃げていくことが多く、クマ鈴や携帯ラジオなどを持っていくと効果的です」

 

-では、実際に出会ってしまったらどうすればいいのでしょうか。

「重要なのはツキノワグマを刺激しないことです。クマと出会ったらまず落ち着いて、急な行動は避けるようにしてください。背中を見せて走ると追いかけてくることがありますので、クマから目を離さずに静かに後ろに下がります。道具などにクマが興味を示した時には、取り返そうとせず、そのまま立ち去るようにしましょう。万が一、クマに襲われたら、急所を守るために地面にうつぶせになり、後頭部などを両手で覆うようにして守ってください。クマ撃退スプレーなども販売されていますが、当てるのが難しく高価な物なので、あくまで保険と考えた方が良いでしょう」

 

-そのほかに注意することはありますか。

「一人で行動せずなるべく複数で行動すること、登山やキャンプなどでゴミを放置しない、子どものクマを見かけたら近くに必ず母親のクマがいると考える、などがあります。注意点をまとめたものをホームページで紹介していますので、ご覧下さい」

-ありがとうございました。

 

新潟県は自然豊か、そして野生の動物も多彩です。だからこそ、人間と動物の「上手な共存」という考え方が重要とのことでした。最新の目撃情報、注意点などは、下記ホームページでご確認ください。(研)

新潟県ホームページ(自然・環境)

ツキノワグマによる人身被害を防ぐために

お問い合わせ:025-280-5152(新潟県環境企画課鳥獣保護係)