身に危険が及んだときのために…女性対象「護身セミナー」が盛況

身に危険が及んだときのために…女性対象「護身セミナー」が盛況


通り魔、ストーカー、ひったくり…。日常生活の中で犯罪に巻き込まれる可能性は誰にでもある。特に単独行動の女性を狙った犯罪は後を絶たない。危険な目に遭ったとき、どのように対処すればいいのか、普段からどのような注意が必要か。そんな課題に取り組んだ、女性を対象にした「護身セミナー」が、にわかに注目されている。

 

 

護身術メーン用 リサイズ

主宰は新潟綜合警備保障と総合空手・夢源会。新潟綜合警備保障による防犯知識の講話と、夢源会による護身術の実技講習がセットになったもので、今年は夢源会の道場で3回に渡って開催された。今後も定期的に行われる予定だ。また、企業などへの出張セミナーも行われる。

女性リサイズ

今年最後の3回目のセミナーが開催されたのは12月21日。夢源会道場に女性11人が集まった。参加者の中には、新潟ガールズ集団Lily&Marry’Sの今井美穂さん、山田彩乃さんらも。3回のセミナーの参加者数は約80人。小学3年生から30代後半の主婦までと、年齢幅は広い。夢源会の代表、岩木秀之さんは「思った以上に関心をお持ちの方が多いです。需要があるのだなと感じました」とセミナーを行っての感触を話した。

プロジェクタ リサイズ

セミナーの冒頭はスクリーンを使った講義から。

坂爪リサイズ

講師は新潟綜合警備保障の坂爪武史・警備部次長。「歩道は左側を歩くと、後ろからバイクや自転車が来るので、ひったくりに遭いやすいです」「ストーカーや不審者に行動パターンを知られないよう、コンビニは同じ店ではなく、何店かを使い分けた方がいいです」「基本として暗い場所、ひと気のない道は極力避けましょう」など、心構えを話した。「自分は大丈夫と思いがちですが、誰でも被害者になる可能性があります。日頃から犯罪に対する意識を高めることが大切です」と坂爪次長。

道場生と見本リサイズ

続いて、岩木さんによる実技講習。受け身の取り方から始まり、腕を捕まれたときの対処や、肩や腰を引き寄せられたときの逃れ方などを、実際に行った。「後ろから抱きつかれたときは、相手の小指をつかむように」「正面から抱きつかれそうになったら、肘打ちで」など、シチュエーションに応じた護身を実演し、参加者に手ほどきをした。

参加者のみAリサイズ

参加者たちは、夢源会の道場生たちを相手に実践。「クロールをするように自分の腕を回して」(岩木さん)とイメージしやすく動作を説明されるため、雰囲気は和やかだ。実際に男性の腕力の強さと、そこから抜け出す瞬間を体験するたびに声が上がった。参加者からは「襲われそうになったら、声を出した方がいいのですか?」といった質問も。それに対して、坂爪次長が「叫び声は逆効果。毅然(きぜん)とした態度が必要です。『やめろ!』といった感じで強い口調で言うと相手もひるみます」と具体的なアドバイスが。

参加者と岩木リサイズ

岩木さんは「相手をやり込めたり、応戦するのが目的ではありません。もしそうなったら、後日の報復も考えられますし、戦闘態勢を取ることは相手の思うつぼ。あくまで、たまたま逃げることができた、と装うことを目的にします」。総合空手、護身術という名称がつくと、戦うための策と考えがちだが、目的は身を護るための心構えをすること。「テレビや映画に出てくるような護身の方法は、正直できません。女性の細腕でもできることを、私なりに追求しました」。現実に合った内容で、どの方法も「相手がひるんだら逃げる、人を呼ぶ」という大前提がある。

山田リサイズ

セミナーに2回参加した山田彩乃さんは「簡単な言葉で教えてくれるし、ちょっとした動きでできることばかりなので、すごく分かりやすいです。メンバーにも教えたりしています」。そして「被害に遭わないためにも、普段から意識することが必要だと思いました」。セミナーに参加することで、身近に危険なシチュエーションがあることと、気持ちの準備の大切さを改めて感じた様子。

岩木講義リサイズ

危険を認識しておくことで、日頃から注意する意識が芽生え、とっさの時の護身方法を知っておくことで、いざというときに冷静に対処できる。命に関わるような犯罪がごく身近で起こるようなった現代社会。身を護る術を知る場はニーズが増えそうだ。

☆インフォメーション
【やさしく学べる現代護身セミナー】
新潟総合警備保障と夢源会では、企業、団体、グループ向けに出張セミナー(有料)を行う。講話と実技講習だけでなく、会社までの危険箇所の診断などを行って、それぞれの状況に合わせた対策も。参加団体からのリクエストに応じて、プログラムを作成する。

〇問い合わせ
025-272-6105
総合空手「夢源会」