【新潟は温泉天国】 出湯・建築探訪編

【新潟は温泉天国】 出湯・建築探訪編


大雪が降った先月、1月25日。

取材で阿賀野市の五頭温泉郷を訪ねました。

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目指したのは五頭山のふもと、出湯です。

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国登録有形文化財に指定されている「清廣館」を訪ねました。木造3階建ての旅館です。

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出湯の開湯の歴史は古く、新潟県内では最古と言われています。下記は、五頭温泉郷のホームページから。

弘法大師の開湯と伝えられ、開湯1200年の歴史を持つ温泉。
出湯温泉の2つの共同浴場の泉質は弱アルカリ性単純温泉、旅館の温泉はラジウム温泉(単純弱放射能冷鉱泉)で、アトピー性皮膚炎に効果があるといわれ、全国から多くの人が訪れている。

古い温泉地の開湯のパターンは鳥獣による発見などいくつかあり、仏教の普及に伴うものも各地に多数あります。弘法大師に関係する開湯もそのひとつです。

出湯温泉には、華報寺という寺の境内に共同浴場があります。仏教と結びついた温泉文化、歴史を今に伝える貴重な浴場です。

「清廣館」は、そのすぐ側。開業は300年以上前にさかのぼるとのこと。農家さんが農閑期に温泉で体を癒やすという湯治スタイルで、人が集まったのが出湯温泉。清廣館も、そんな人々が休んだり泊まったりする場所として始まったと思われます。

“国登録有形文化財”の内部をほんの一部分だけ。

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客室にあしらわれた丸窓の細工です。

富士山です。

紙と木で作られてきた日本の建築の「粋」です。

興味深かったのは、現在は2間続きになっている1組分の客室は、昔は1間を1組で使っていたという話。仕切りはふすま1枚でした。高級旅館では決してなく、多くの人たちが和気あいあいと湯治をしていた、そんなにぎやかな情景が目に浮かびました。

 

建物を拝見した後、厚かましくもお風呂に入らせてもらいました。浴場には、貴重なお湯を大切に使いたいためとの旨が記された張り紙があり、浴槽にフタがしてありました。

ラジウムを含む温泉のため、成分の気化を防ぎお湯の鮮度を保つよう、配慮されています。

こちら、大人ひとり1000円で入浴のみも楽しめます。

入浴後は、フタを忘れずに。

(GATAポスト編集・早見正明)

※「新潟温泉大図鑑」最新版の発刊準備を進めています。4月発売予定、お楽しみに。